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シンプルに生きるということ

野菜と暮らす私たちは野菜から学ぶことが沢山あります。野菜たちの一生涯はとても美しくてシンプルです。自分たちで動くことができない野菜たちは与えられた環境の中で精一杯太陽の光を浴び、天災なども受け入れて耐え抜きます。

 

私たちの畑には冠水施設がないので水がほしくても天が与えてくれないことにはもらえず、地球のリズムに合わせて生活しています。そこをサポートするため月の満ち欠けを利用して種や苗を私たちは植えているのですが、時には台風でなぎ倒されたり、害虫に食べられたりと様々な要因で成長できないことだってあります。だけど、野菜たちは全てのことを受け入れて生きています。

ただ、野菜が害虫に食べられるということは、土に不必要な栄養素が過多になっているということもあります。その不必要な栄養素を害虫が食べ終わると自然と害虫はどこかえ消えてしまいます。動物、植物、虫、鳥、天候、全ての活動や現象は地球のバランスを取るために働き、常により良い自然環境にするため助け合って暮らしているように思います。また、自然界に置き換えて考えると、私たちの人生もどんな困難なことがあろうとも人生に起きることは全てプラスなんだと思えてくるから不思議です。

 

野菜たちは春になると子孫を残そうと実を硬くし、花を咲かせ、これまで経験したこと、栄養を全て種に託し、実は枯れていきます。しかも、かぶなどのアブラナ科の野菜は一粒万倍と言われるように一粒の種は万倍にもなり無限の愛を私たちに与えてくれます。見返りも求めず与え続けるというその寛大な愛のとその潔さは人間が見習うべき姿のような気がしています。

 

それぞれが出来ることを精一杯やり切り、次の世代に託す。社会から何を得れるのか、と問うのでではなく自分は社会に何が与えれるのかという意識で皆が生きることができるならば、技術もものも交換し合って支え合えば、きっと平和でそれぞれが満たされる社会になる。シンプルに生きることの大切さを自然界がみせてくれているような気がしています。

サティッシュ・クマール氏への感謝

「私がこれから話すこと。どうぞ皆さん、自由に自分の言葉として使ってください。私のこの考えは、インドのマハトマ・ガンディ、イエス・キリスト、ブッダ、中国の孔子、、、世界中の偉大な師たちが残してくれた考えです。私の話すこの英語ですら妻や友人たちが私に教えてくれたもので決して私のものではありません。全て先人が残してくれた知恵や知識であり、私のものではないのです。彼らは無償で権利も主張せず私たちに財産として残してくれました。」イギリスにあるシューマッハ・カレッジの創設者サティッシュ・クマール氏の授業はこんな言葉で始まりました。

 

当時、私たちは農園のやり方について様々な批判を浴び、「種って誰のものなんだろう?私たちがやっていることっておかしいんだろうか。」という疑問や違和感、葛藤、誤解や反省など様々な感情と共に絶望の中にいた私は救いを求めるようにイギリスのシューマッハ・カレッジの扉を開きました。私の硬く沈んでしまった心はサティッシュと世界中から集まった仲間たちの愛によって溶かされたような感覚を今でも鮮明に覚えています。種は一生涯どんなに苦労して守っていけたとしても「誰のものでもない、先人が大切に残してくれた愛であり地球のものだ」と言える農家になれたら本望だと心から思います。

人生を再び歩み出す大きな勇気とシンプルに、豊かに生きるという教えをくださったサティッシュ・クマール氏、文化人類学者・辻信一さんに心より感謝いたします。

おすすめの本

エレガント・シンプリシティ 

サティッシュ・クマール著、辻 信一訳

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